ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
ドロシー・ロー・ノルト、レイチャル・ハリス 著、石井千春 訳。

「子どもが育つ魔法の言葉」より



「叱りつけてばかりいると、子どもは『自分は悪い子なんだ』と思ってしまう」 (P100)



人は社会で暮らす以上、善悪や正邪を判断し、ある程度、正しい行いをせねばなりません。それが互いの身を守ることになる。それを「道徳」と言います。

なので、子どもを守りたいと思う親は、幼いころからだんだんと、何が正しくて何が間違っているかを、教えていくことになる。

また子どもは、生まれた時は真っ白ですが、それを吸収し、日々学んでいきます。大人になるにつれ自分で考えますが、それまでは学ぶことに力を使う。


ピノキオがそうであったように、幼い子は、まだ善悪に対して無頓着です。悪気がなくても、思いがけず、ひどいことをすることがある。

そしてその時は、ゼペットじいさんがそうであったように、それがいかに悪いことか、親は教え諭します。ダメなものはダメ、恥ずかしいことだと、こんこんと教える。


それはそれで必要なことです。ただし、必要なことも、過ぎれば毒になる。

幼児期になると、子どもは自律性というものを育てはじめます。それは、自分をコントロールすること。したいことをする一方で、我慢することも覚えてゆく。

ちょうどこの頃になると、「自分でやる」と我をはったり、かと思えば、「して」と甘えたりします。そんな揺れの中で、自律性を育てるんですね。ゆっくりゆっくり、なじませ、育てる。


さて、前述のように、叱ったり善悪を教えたりすることは必要なのですが、あまりにその比重が多くなると、「恥」や「疑惑」が勝ちすぎてしまいます。また、それが常習化すると、しようとする気持ちに対して、何かにつけ、恥や疑惑がブレーキをかけてしまうことになる。

ブレーキはブレーキで無いと困るのですが、無意識的にブレーキの強い子どもに育ってしまうというわけ。

さらにそれは将来的に、自信の喪失や、自分をダメだと思い込むことにも、つながってしまうかもしれません。


さて、子どもを叱る目的は、何でしょう? ガッカリさせること? 落ち込ませること? 委縮させること?

違いますよね。

態度を修正させること。間違いを犯させないこと。それによって、子どもを守ることです。なので、怒鳴ることが主にならないように、注意する必要があるのかもしれません。

時にそうなることがあるにしても、頻度を考える。どんなに落ち込んだり委縮しても、同じことが繰り返されたら、もとの木阿弥です。


本では、頭ごなしに叱ることを戒め、まず話を聞くこと、そして、どうすべきだったかを教えることを勧めています。(P102)

何がいけなかったのか、これからはどうすればいいのか、それを冷静に伝える。責めずに、それでいて悪いことは悪いと、しっかり教える。これにより、自分を悪い子だと思わせずに、反省させるのだという。

逆にいえば、自分を悪い子だと信じすぎると、態度の反省にまで手が回らないのかもしれません。

ピノキオがそうであったように、子どもは学んでいる最中。善も悪もなくて、単に「知らないだけ」のことも多いようです。


注意する言葉にも、いろいろあるようです。「片づけなさい」もあれば、「だらしない」もある。「さあ、早くしよう」もあれば、「グズ」もあります。

それぞれの前者は、行動を促すものです。でも、後者は、あまりいい言葉ではありませんね。人格を傷つけてしまいます。また、それが「いつも」だと、人に重くのしかかりそう。


人には、気持ちがあります。いろんな感情が、放っておいても湧き出てくる。大人はそれを、自制します。また子どもにも、それを要求する。でも、実はこれ、時と場合によるんですよね。

大事な式典の最中に「お腹へった」と大きな声で言われるのは困りますが、家の中で「お腹へった」と言っても、問題にはなりません。同じこをと言うにしても、どこで、誰に、どういう風にと、場合場合で変わってきます。

大人であれ子どもであれ、人は時に感情を抑え込むことを要求されますが、実はこれも、場合場合。

なのでこういうことまで、ちゃんと伝えるのが望ましい。


子どもの元気さや明るさは、存在を肯定されていることが基盤にあります。なので、いちいち否定ばかりされると、元気も出ないし、明るさも出ない。

そんな時に、暗いとダメだしされれば、どうなるでしょう。

こういうことも、考えたいものです。


とはいえ、何をしてもいいのかというと、もちろん、そんなことはありません。

例え子どもとはいえ、したことや選んだことには、結果が出てくる。その結果が、想像したようなものではなかったり、あまりよいものではない場合もあります。

でもそうやって人は学んでゆくわけで、子どもにとっても、大人にとっても、堪え時ですね。

自分を責めすぎたり、引っ込み思案になっても困るわけですが、責任に対する意識も、育てねばなりません。

そういう意味では、そんな経験の中で人は揺れて、それからだんだんと落ち着くのかもしれません。

だからそれまで、待つ時期が続くと。


先述の通り、一番大事なのは、誤った態度を改変させること。

「叱りつけてばかりいる」という行為は、相手を委縮させ罪悪感を植え付けるので、かえって態度の改変には逆効果であるようです。

罪を認めさせるのはもちろん大事なのですが、それよりも「することが変わる」ことの方が、実は大切。いつまでも同じことが繰り返されるのが、一番困ります。

とはいえ、何が悪いのか分かってないと、なおそうとは思わないわけで、なかなか難儀なことです。

なので親は苦労するわけですが、子どもは初め「知らない」わけで、学ぶにはどうしても時間がかかりますね。一歩一歩、前に進むしかないのかもしれません。

そしてあとで気づけば、けっこう前に進んでいると。



[ 分けて考える ]

善悪や道徳観を教えるのは、大事。
でも、やり過ぎると、恥や疑惑が勝ってしまう。

したことが悪いのであって、人間が悪いのではない。

場合場合で、していいことと悪いことが変わる。
時や場所が変われば、問題ない場合も。

そして、感情そのものは、抑えきれない。
一時的には隠せるけど、無くせはしない。
また、無くさなくていい。



[ しないほうがいいこと ]

決めつけない → 事実誤認があるかもしれないから。

頭ごなしに叱らない → 委縮して、そこで止まってしまうから。

人格否定しない → 態度の改変にエネルギーがいかないから。

あわてない → 学んで成長する間、子どもは揺れるから。

教えることを放棄しない → 学べないから。

あせらない → 成長には、それなりの時間がかかるから。

気分次第で責めない → 何が正しいのか、分からなくなるから。


[ したほうがいいこと ]

話をよく聞く。
相手に話させる。

何が正しくて何が間違っているのか、ちゃんと教える。
解決方法を教えたり、一緒に考える。

態度の改変こそが、最優先。





子どもが育つ魔法の言葉 (PHP文庫)




ピノキオ プラチナ・エディション [Blu-ray]






[ 極端さ ]

どうしても事件性のあるものが目につきやすいので、メチャクチャに怒るとか、驚くほど叱らないとか、極端な例に触れることが多いのかな。

一方で、やり過ぎ、もう一方で、全然やらない。

しかも、信じ切っているので、態度の改変が難しそうです。

結果として問題が出ていても、どうも、それを見てもらえない。

とはいえ、こういうのは極端な例なんでしょうね。


どちらの方向にしても、極端になると事件だって起こるわけで、そのためにも、いろいろと気を付ける方がいいのだと思えます。

時にはブレーキをかけないと、危ない。

そしてまた、ブレーキを踏みすぎる人は、ちょっとゆるめることも覚えた方がいいという、何というか、結局、両方が必要なんですね。


それを学ぶのが、人間か…





<<「(06) 親が他人を羨んでばかりいると…」
   「(08) 励ましてあげれば…」>>





【関連記事】
「やさしい虐待/クローズアップ現代」

 → 「エリクソンのライフサイクル」




関連記事



ブログランキング・にほんブログ村へ
BlogPeople「人間・哲学/人間考察」
blogram投票ボタン


ランキングに参加しています
よかったらクリックしてね


秋だから、実をためる


↑ページトップへ


■ 最近のエントリ

■ 人気ページランキング


↑ページトップへ




// HOME //
Powered By FC2ブログ.
copyright © 2005 枕石漱流 日記(ユング心理学の視点から) all rights reserved.
ブログパーツ アクセスランキング
■ Amazon
■ 注目記事
■ アーカイブ
■ カテゴリ

■ 月別アーカイブ

■ 検索ぷらす


【注意】 ENTERキーだとうまく表示されないようです。申し訳ございませんが、ボタンを押してください。

■ キーワードハイライト機能

検索時、検索語句がハイライトされます。

■ BlogPeople リンクリスト

リンク集と更新状況↓



☆登録する by BlogPeople☆

■ RSSリーダーに登録

 RSSリーダーで購読する

 メールで購読する


(リンク切れを修正しました)


■ 最近のトラックバック
■ スポンサードリンク

■  
■ スポンサードリンク



■ 最近の記事
■ カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

■ FC2カウンター



現在の閲覧者数:

■ プロフィール

南方 城太郎

Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
生まれ:
黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


日記について


拍手する

プロフ
電脳露店マイアソシエイトストア
おバカ映画

■ リンク
■ RSSフィード
■ インフォメーション


検索サイトiscle
(検索サイトさんです)

■ QRコード

QRコード

携帯でも御覧になれます。

■ 地域情報



ジオターゲティング





■ にほんブログ村

■