ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
NHKクローズアップ現代「やさしい虐待 ~良い子の異変の陰で~」より。



虐待とは、「むごい取扱いをすること」。一般的には、親が子どもに暴力を振るうことなどをいいます。

でも、そうでない虐待も、あるという。

それが、「やさしい虐待」。暴力や暴言で直接傷つけるのではなく、教育や躾(しつけ)を過剰に行うことで、子どもをがんじがらめにし、心を蝕んで(むしばんで)ゆく。



そんな「やさしい虐待」に警鐘を鳴らしてきたのが、東海学院大学の長谷川博一教授。

長谷川さんによれば、子育てに大切なのは、子どもが幼い時に持つ、甘えたい、わがままを言いたい、そういった感情を、親が分かり、認めてあげることだといいます。その安心感によって、子どもは自分を肯定し、のびのびと育っていく。

逆に、子どもの甘えやわがままを認めず、幼いころから、躾や教育を押し付けると、それが子どもに影響し、やさしい虐待と呼ばれる状況が、生み出されてしまう。





親であれば、成績優秀な子に育てたい、あるいは、礼儀正しい子に育てたい。それは何も間違ってはいません。ただ、度合いが過ぎると、やさしい虐待の落とし穴が待ち受けていることも。

負荷と成長は、隣り合わせです。

例えば、勉強するのが負荷。成績が上がるのが成長。あるいは、運動するのが負荷。体力が向上するのが成長。また、叱るのが負荷。礼儀正しくなるのが成長。

こういった負荷と成長のはざ間で、人は育ちます。子どもも、大人も、そうです。ただ、やり過ぎると、バランスを崩すんですね。大人であれ、子どもであれ。

さらに個人差があるから、なおのこと難しいです。



やさしい虐待が、なぜ、よい子の異変を招くのか?

長谷川さんによれば、過剰な教育や躾で、本来持っている感情が押しつぶされると、子どもは自分の価値を認められず、強い心を育めなくなるという。このため、些細なトラブルにも対処できず、心が折れやすくなってしまうのです。

 参考記事 → 「たいしたことない? たいしたことある?/あふれる水」



不登校や不安の中には、それ自体が問題だというよりは、やさしい虐待に対するSOS信号として現れている場合も。

自分の価値が認められないと、また、それが長く続くと、自己否定感が強くなってしまいます。自分を嫌い、情けない自分だと、できない自分だと、そう思いこんでしまう。さらにそれが、対人関係に、てきめんに現れてくる。人にどう接していいか、分からなくなります。





子を思う親の愛情を、「親心」と言います。

子どもを幸せにしたい、子どもに失敗してほしくない、誰もがそう思う。

それはとても尊いのですが、大きくなりすぎると、重荷になることも。

親の切羽詰まった思いを受けて、子どもはどうしても、疲弊してきます。


感情としてはむしろ、善である。ただ、時として、それが効果としては、負担になっちゃうわけですね。


これはひとつには、子どもは敏感であること。またひとつには、それがずっと続くこと。また、家の中から、子どもは逃げ出せないこと。これらがあると思われます。



長谷川さんはこういった親の態度を、「やさしい虐待」と呼びました。

その一方で、不登校や引きこもりというのは、それに対する「やさしい反抗」なのかもしれません。

昔風の反抗なら、暴力を振るったり、家出したりしました。でも、よい子は、それさえも押しとどめ、けれど負担からは逃れたいと感じ、その折衷案(せっちゅうあん)として、こういった状況になると。あるいは、疲れ切り、動けなくなってしまう。





長谷川さんは、やさしい虐待の多くに、親自身の生い立ちが影響していると考えます。というのは、親自身が、自分の親に、厳しい教育や躾を受けているケースが多い。

過去、それに苦しみながら忘れていたり、そもそも気持ちが抑圧されて、意識には上っていない場合も。

そこには、やさしい虐待の連鎖があるのです。


親も、その親も、悪気はありません。むしろ、よかれと思ってやっている。

でもその影では、自分の気持ちや、子どもの気持ちが、犠牲になっていたりする。


長谷川さんは、子どもを立ち直らせるために、まず、親の会で、集団カウンセリングを行っています。

子どもを変えるには、親自身が変わる必要があると、考えているのです。


子どもの無気力や、不登校は、反応。その反応を生む原因を、何とかしようとする。

反応というのは、例えば、重い物を持つと疲れる、その疲れるということ。原因は、重い物を持たせるから。

だから、疲れ自体をどうこうするのではなく、重い物を軽くしようというのです。

また、子どものことで困っているお父さんお母さん自身を何とかしたいという想いもある。


長谷川さんによれば、やさしい虐待を受けた親たちの多くは、幼い頃、本来の感情を押しつぶされ、心が十分に育まれないまま、親になっているという。

カウンセリングを通して、その時の感情を回復できれば、まず、親が自分自身を肯定できるようになる。そしてその結果、自分の子どもの感情も、認められるようになる。それがまた子どもに作用し、子ども自身も、自分の価値を認められるようになる。

負の連鎖を逆転させ、正の連鎖を生もうと試みます。




やさしい虐待。やさしい子に、やさしい親。

やさしいが故に、罪悪感があって、想いをなかなか表現できません。

だから逆に、一般には否定的だとされる感情も、保護された場所で、出す練習をします。


社会的には否定的に扱われがちな、怒りや憎悪、嫌いだという感情。

でも、話を聞けば、「そりゃそう思うよね」となるものも、実はたくさんあります。

出したものだけ見れば、ビックリするかもしれません。

でも、出すに至った経緯を知れば、「そりゃそうなるわ」というものも多いのです。

むしろ、怒って当然だとか、嫌って当然だとか、そういうのは、多々ある。

そういうものを少しずつ出す練習をするのが、カウンセリングなのでしょう。





親が変わることで、子どもを救う。

その親も、自分を肯定するために、自分の気持ちと向かい合う。


それは怖くもあり、ギョッとするようなものも出てくるかもしれませんが、その先にあるものは、確かにあるようです。





お母さんはしつけをしないで




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善悪論に走ると、「悪い」「悪くない」のはざ間で揺れて、先に進みにくいようです。

罪悪感が勝ちすぎる。

それよりは、「どう変わるか」の方が、大事なのかもしれません。





【関連記事】
「恒常性(ホメオスタシス)とエゴグラム」
「エニアグラム」

「自然治癒と虐待」
「エリクソンのライフサイクル」




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[サイト内タグ]:  教育  親子



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