ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
西林克彦さんは、その著書『わかったつもり~読解力がつかない本当の原因』において、「わかったつもり」の危険性を教えてくれています。

人は、分からないから、分かろうとする。

逆に、分かった気になってしまうと、それ以上、分かろうとしません。

故に、不十分に分かった状態である分かったつもりは、危険だというのです。


社会人は、分かったつもりのミスを経験したことがあろうかと思います。

「きっとそうだと思っていた」→「でも、違った」

これで失敗し、時には叱られ、そして、確認することの大切さを知ります。

毎度毎度確認しないことは、とんでもないからです。

周囲に迷惑をかけ、自分は落ち込み、怒る人が出てと、いいことがありません。

逆に、ちょっと確認することでそれが避けられるので、物事は円滑に進むようになります。





上で紹介した本の中に、以下の例文が出ています。


「サリーがアイロンをかけたので、シャツはきれいだった」


特に問題のない文章ですね。

確かに、アイロンをかけたからといって、きれいになるかどうかは分かりません。

かけ方を間違えれば、焦がすかもしれない。

また、慣れない人がやると、そんなにきれいには ならないかもしれない。

ただ、一般に、アイロンは服などをきれいにするため――正確には、シワを伸ばしたり形を整えるため――にあるので、「アイロンをかける」→「服がきれいになる」と考えます。

例外が起こることは知っているけど、それはあえて口に出さず、了解する。

逆に、例外が起こる時は、言い方を変えます。


「不慣れなサリーがアイロンをかけたので、シャツはしわくちゃになった」

「サリーはアイロンの途中で長電話したので、シャツが焦げた」


これで、前後がつながりますよね。

「アイロンをかけたので、シャツはしわくちゃになった」だと分かりにくいのが、状況説明を加えることで、了解できる文章になる。





今の世の中、よく分からない道理が広まったり、広まらないまでも、示されることがあります。


「TPPに参加すれば、日本の景気がよくなる」
「TPPに参加すれば、日本の景気が悪くなる」


この文章は、両方とも、不完全です。

なぜなら、TPPに参加することでどうなるかという答えが、決まってないから。

少なくとも、「アイロンをかければ、きれいになる」ということほどは、はっきりしていません。

上下どちらの意見であれ、主張する人は、確信しているのかもしれません。順を追って考え、可能性を絞り、答えを導き出しているのかもしれない。よって、「はっきりしてるさ!」と、言いたいかも。

でも、その道理は、当人の頭の中にあるので、こちらには伝わりませんよね。

分からないことで理解するのは無理なので、言われた方は困ってしまう。前と後ろの関連が、不完全です。

どうして景気がよくなるのだろう? どうして景気が悪くなるのだろう? そう思ってしまう。

「TPPに参加すれば~」云々の意見は、何か説明をつけ加えてもらわないと、呑み込むことはできません。


テレビなどでは、TPP賛成か? 反対か? とか切り分けたがるようですけど、今のところ、それ以前の問題なんですね。

根拠がイマイチ、伝わってこない。

理解できないのが悪いのではなくて、理解できる材料が提供されてないんです。

そして、積極的に推進している人が、「何卒理解を」とかなんとか言いながら、理解の材料になるものを示さないという、トンデモナイことになっているように思います。


ついこの間、野田首相がTPPについてよく分かってないんじゃないの? というのが、国会で露呈しました。


 → 「佐藤ゆかりTPP質疑【全内容文字おこし】ーー野田総理がISD条項をさっぱりわかってない。「ASEAN+6」のほうがTPPよりメリット高い:ざまあみやがれい!」



野田首相が「分かったつもり」の状態であるとするなら、こんな怖いことはありません。

「分かったつもり」は、「こんなはずじゃなかった」につながることが多いからです。

そのためにみなさんは、いろいろと確認をし、「こんなはずじゃなかった」を避けるための努力をしているはずです。

そうしないと迷惑がかかり、自分も落ち込むことを、経験的に知っているから。

あるいは仕事のノウハウとして組み込まれていたり、ルール化されているかもしれません。


「つもり」の怖さについて、日本人はこの度の震災で、思い知らされました。

「つもり」は裏切られ、トンデモナイことになった。

だから最善を尽くしたり、最悪を予測したり、またそのベースとして、確認することの大切さを知ったはず。

その根底は、おそらく、TPPも同じなんでしょう。

賛成でも、反対でもなく、しっかり確認し、検証し、備えねばならない。




まず首相は、ちゃんとTPPについて理解していることを示さねばならないし、メディアも訊かないと。

分かったつもりの恐怖を、もう、十分に体験したでしょ?

まだ、足りませんか?



現状を分かりやすい文章にすると、こうでしょうか。

「TPPについてよく分かってなさそうな野田首相が、参加に意欲的なので、心配だ」

「説明のないままTPP参加が必要だと言われても、よく分からない」

「説明や議論が必要だと言うけど、説明はいつするのだろう? 議論の場はいつどこに設けるのだろう?」


どうも、TPP自体の是非の前で、詰まっているようです。

あるいは、つまづいている?





わかったつもり 読解力がつかない本当の原因 (光文社新書)




「わかる」のしくみ―「わかったつもり」からの脱出






そもそも、

「政権交代すれば、日本はよくなる」

これ自体、何の根拠もない文章です。

なぜ政権交代で日本がよくなるのか、その間の説明が、抜けています。

だから、有権者も、「つもり」は卒業しないと危ないのです。


不完全な主張には、「?」と思えるようにならないと。

いや別に、普段の会話ならいいんですけどね、大事なことでは立ち止まれないと。




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