ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
ミヒャエル・エンデ作

モモ
時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語


そのレビューと感想



第17回「デモ行進」


(第8章「ふくれあがった夢と、すこしのためらい」より、その後編)


出席者全員が名のりをあげ、ベッポもやると言いました。

ここからは、どうやるかの相談です。

何かいい提案(ていあん)はないかと、ジジはみんなに聞きました。


そんな中、めがねの男の子、パオロが質問します。

でも、時間なんか、どうやって、ぬすむのだろう?


まったくだと、クラウディオも言う。

だいいち、時間って、なんなんだろう?


小さい妹をだいていたマリアが、考えをのべました。

時間はもしかすると、原子みたいなもんじゃないかしら。

いまでは人が頭で考えたことでさえ、字にうつしてしまう機械があるらしい。

いまの時代、どんなことだって特殊(とくしゅ)な専門家がいるものだ。


それを聞いて、マッシーモが思いついた。

映画をとれば、とられたものはぜんぶフィルムにのっている。

テープで音をとるときも、同じだ。

だからきっと、やつらは時間をとる機械を持っているにちがいない。


どっちにしろだな、とパオロは言いました。

力をかしてくれる科学者を探さないと。

そうしないと、何もできやしない。


これに、フランコがかみつきます。

科学者だからといって、信用できるとはかぎらない。

そいつが時間どろぼうの手先かもしれない。

もしそうっだったら、とんでもないことになる。


中には、警察にとどけるのがいいと言う子もいた。

でも、これにも、フランコが反対しました。

警察に、なにができる?

あいてはふつうのどろぼうではない。

警察がやつらのことを知っているとすれば、警察は手も足も出せていないということだ。

もし、気づかないでいるとするなら、どっちみち役に立たないってことになる。


さて、どうすればいいのか。

ここでジジが、立ち上がりました。

ジジはなん百もの計画を考えたすえ、ついに確実な計画を思いついたのだという。

しかも、みんなが力をあわせたらできる計画です。

五十人はくだらない聴衆(ちょうしゅう)を前にして、ジジは計画について話しました。

灰色の男たちは、とくべつな力を持っている。

やつらは人に知られることなく、秘密(ひみつ)のうちに働けます。

でも、弱点も、そこにある。

やつらに打撃(だげき)をあたえる確実でかんたんな方法は、あらゆる人に、やつらのほんとうのことを知らせることだ。

では、どうしたらいいか。

デモ行進すればいいと、ジジは言いました。

プラカードやのぼりをつくって、町じゅうをねりあるくのです。

そうすれば、世間から注目があつまる。

そのときに、円形劇場で説明集会をするからと呼びかける。


ジジは、そのさまを想像しながら、話しました。

町じゅうがすごいさわぎになる → なん千、なん万という人が、ここに押しよせる → そこで、おそろしい秘密をみんなに明かす。

「そうしたら――そうしたら」と、ジジは言った。

世の中は一瞬にして変わってしまう → だれも人間の時間をぬすめなくなる。

時間が、人間のもとにかえってくるのです。

ジジは、高らかに声をあげた。

「友人諸君、ぼくらはその気にさえなれば、これができるんだ、みんなで力を合わせてやれるんだ! みんな、やってくれるか?」


円形劇場は、歓声(かんせい)につつまれました。


つぎの日曜の午後に、円形劇場に集まる。

デモ行進で、人を集める。

それまでは、計画のことは秘密です。


この日も、つぎの日も、廃墟(はいきょ)は熱気にあふれました。

材料を持ちこみ、プラカードやのぼりを作る。

それには、次のように書かれていました。


「時間のせつやく? でも、だれのために?」

「なぜ? 時間がないのか? ぼくたち子どもがおしえてあげよう! 大集会に来たれ!」

「注意! みんなの時間に一大事がおこっている!」

「時間はどこにいったか? このひみつをおしえよう!」

「みんなの時間は、ぬすまれてるぞ!」


もちろん、集会の場所と時間も、書きこまれています。


用意ができると、みんなは円形劇場に整列した。

ジジとベッポを先頭に、プラカードやのぼりをかかげ、町の中を行進します。

さらに、笛(ふえ)を鳴らしたり、ブリキかんをたたいたりもした。

シュプレヒコールをさけび、歌もうたいます。

その歌は、ジジがデモ行進のために作ったものです。


交通のじゃまになるからと、おまわりさんに追いはらわれたりもしました。

でも、子どもたちは場所をかえて、またやりなおした。

そしてそのほかは、なにも起こりませんでした。

灰色の男たちは、あらわれなかった。


変わったことといえば、あらたな子どもたちが隊列に加わったこと。

デモ行進を見た、それまでなにも知らなかった子たちが、列に加わったのです。


子どもたちは、大都会の通りをねり歩いた。

世の中を変えるだいじな集会に来てほしいと、おとなたちに呼びかけました…





モモ―時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語 (岩波少年少女の本 37)






<感想>


子どもたちは、立ち上がりました。

今迫ろうとしている危機に気づき、何とかしようとした。

行動力も大したものです。

材料をかき集めて、プラカードやのぼりを作った。

そして、隠された真実を知らせようと、街を練り歩きました。


それが世の中を変える大事な仕事だと、子どもたちは信じた。

また、何も間違ってはいません。

事実、灰色の男たちは暗躍し、人間から時間を奪っている。

それをそのまま放っておけば、どうなるか。


ただ、正しいから、正義だから、それで物事がうまく運ぶかというと、そうでもありません。

毎日が忙しい人は、正しいかだとか、正義かだとか、そんなことには興味がなくなってしまうこともあるようです。

ともかく、目の前のことを、こなさないといけません。


いや、もちろん、いつもそうだというわけではありません。

でも、こういうことは、わりとよくあることなんです。


そう考えると、忙しいというのも、考え物ですね。

あんまり忙しすぎて、なぜ忙しいのか、何をすべきか、何がどうなっているのか、

そんなものが、放置されてしまう…





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声はね、

聞く耳にしか、

届かないんだ…





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Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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