ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
坂の上の雲 第2部が終了したので、ユング心理学概説を再開したいと思います。



ユング派は患者に対して自分の苦しみに参加するように促し、その意味と直面させ、無意識の持つ治癒力を動員しようとする。人生の大問題と直面することはたいへんな痛みを伴うかもしれないが、それは自己反省への貴重な刺激であり、自分の状態に対して「目を見開き」、それを乗り越えるための契機である。



問題には二面性があって、「それを意識する苦しさ」と「意識しないが故の苦しさ」が、あるようです。

例えば前者は、今まで信じていたものが間違っていると気づく苦しさがあります。あるいは、問題だと思ってなかったことが実は問題だったと、そう気づくような苦しさ。

そして後者は、前者の苦しみから逃れようとして意識せず、故に状況が変わらないといった苦しさです。うすうす気づいていることを避けるために変容が滞り、どこかにズレやストレスが溜まる。その蓄積が、苦しさとなって現れます。また、ズレやストレスの蓄積場所が、身近な誰かに集中することもあるでしょう。

昔話でいえば、シンデレラにひどいことをしていた人たちには、それを認識する苦しさがあります。しかし、その認識を避ければ、場は変容せず、ずっとシンデレラに負担が集中する。また、それをしていた事実も蓄積するわけですから、し続ける方はし続けるだけの、蓄積を有することになります。

花咲か爺さんの話でいえば、隣家の意地悪爺さん意地悪婆さんには、してきたことに気づく苦しさもあれば、意識しないが故の苦しさもある。意識せず、態度も変えず、同じことを続け、結果、どうなったかということ。変わるチャンスは何度もあったのに、それをふいにしてしまっています。

このような布置はひとりの人間の身体の中に現れることもあり、頭が心や体を酷使していることもある。そこには、「ひょっとしたら間違っているのかもしれない」と意識しだす苦しさと、頑なに「間違ってない」と思い込もうとし、結果、心と体を蝕むといった苦しさがあります。

そして症状というのは、「目を見開くための契機である」ということになる。



これは外科的なことにも共通しますが、一般に、鋭い痛みが伴うといった、急性期には、痛みを取り除くことが大事になるのでしょう。急性期には安静が必要で、痛みが出るような行為は、できるだけ避けたほうがよい。

その一方で、慢性期になると、徐々に動かした方がよくなってくる。いわば、リハビリですね。動かすことと休ませることを、両方やる。放っておくとよろしくないので、様子を見ながら、動かしてゆきます。

心理にも、こういうところが、あるようです。

急激な痛み、鋭い痛みは、危ない。でも、その一方で、その痛みは「このままでは危ない」というサインでもある。なので、自分の態度や生き方といったものと、向き合わねばならなくなってきます。

そこには痛みが伴うわけですが、それはいわば危機を乗り越えるための痛みであって、後の収束を促すものです。


最初に自己反省という言葉が出てきましたが、「!」というものがあってはじめて、人は態度を変えられるところがあります。

言葉にならない「!」、それは何とも言えない感覚や感情を伴うものですが、それによって変容に向かうことになり、本当の危機から逃れられると。


ユングはある患者さんに対して、こう言ったといいます。

「ありがたいことに、彼は神経症になった」



我々は生きている間に、何かを持ち、成熟させます。

ただ、その一方で、別の何かを持とうとはせず、放置する。

ある部分は豊かですが、ある部分は衰えるといった、そんなバランスの歪みを抱えることになる。

そして、何の問題もない時、その放置された部分、衰えた部分は、忘れ去られます。

実際にあるのに、まるで無いような扱いを受けることになる。


悩みや問題は、それらに目を向ける契機を与えてくれるのです。


何が欠けているのか? どこに負担が溜まっているのか?

今、あるいは、これから、必要なものは何なのか?

何が真の救いとなるのか?

それらを教えてくれると。


「自己発見と刷新の旅へと乗り出すための合図」だというわけです。



悩みや問題は苦しいものですが、それは「どこで行き詰ったのか」を教えてくれるものでもある。

治療とは、単に痛みを取り除くといったものではなく、自分や手の届く範囲のことに対し、責任を引き受けることを覚えることでもある。

そしてやがて、病でさえ、自分の人生の一部だと理解するようになります。


人はそこで、何らかの不均衡を発見するのでしょう。

症状はその不均衡の結果であり、不均衡こそが解消すべき課題だと分かってくる。

そして不均衡を捨てるために、一面性を見直し、対立し合っている要素の間に、新たなる均衡をもたらそうと動き出す。


治療とは、症状の除去ではなく、その方法を見つけるための助けをすることであると。

症状は、新たなる均衡がもたらされれば、おのずと消え去る、

そんな理(ことわり)があるんですね…





生きることと自己肯定感
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自己実現の心理学―元型論入門
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次回に続く…





ユング心理学概論の目次





【関連記事】
「タイプ論の目次/ユング心理学」
「エニアグラムの目次」

「死にたいという気持ち/うつ病(18)」
「飢え」

「調和の島で/RD 潜脳調査室 第23話」




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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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