ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
何回かに渡って、ユングの心理学タイプについて、書いてきました。

それを読んで、「ああ、そんなところがある」となったり、「これは違うな」となったりしたと思いますが、これはそういうものだと思ってください。

示した型のすべてに、人間が当てはまるものではありません。示した型に、ひとりの人間のすべてが、当てはまるものでもありません。

そういうものです。



アンソニー・スティーヴンズは、こんな言葉を紹介しています。


「すべての個人は法則の例外である」




人間は類似性を持つと同時に、独自性も持っています。

私も、あなたも、他の人だって、みんな、人間です。それは、共通している。

しかし、それぞれの個人は、代わりの利かない独自の人間です。たったひとりの、○○さん。

個人は様々な要素からなっていて、ある部分では共通しますが、ある部分では異なる。


仮に、人間には たくさんのスイッチがあるとしましょう。そして、あるスイッチはオンになっていて、またあるスイッチはオフになっているとする。そのオン・オフの組み合わせが、各人の性質、性格を形作る。

そのスイッチの有様が、比較的似ているグループがあります。それが、内向型だったり、外向型だったり、あるいは、4つの機能タイプだったりする。

たくさんあるスイッチの有様によって、概ね、グループ分けできます。

ある人は外向的思考型のグループに入り、ある人は、内向的感覚型のグループに入るかもしれません。

ただ、スイッチはたくさんあるので、同じグループ内でも、差異があると。

ある人たちは外向的直観タイプに分類されるけど、その中でも、各個人には微妙に違うところが存在する。


人間の傾向には、「概ねそうである」と「細部はこうである」といった、ふたつのもの――あるいは、もっと多様なもの――が存在します。

その両方が無視できないので、上に書いたようになるんですね。


そういうわけで、純粋な型というのは、存在しないことになります。

仮に純粋な型が存在したとしても、それはある個人に対してそうなだけであって、スイッチの入り方が微妙に違う他の個人にとっては、純粋な型とはいえなくなります。



純粋な型は存在しない、というのは、以下の点においても、いえます。

アンソニー・スティーヴンズの言うように、人間というのは「合金」であって、ひとつの態度とひとつの機能だけを持つ存在ではない。

同じ人でも、ある時は割と外向的であったり、でも別の場面では内向的であったりと、両方の態度を持ちます。概ね外向的、あるいは、概ね内向的、そういうことはいえても、まったくどちらか一方ということはありません。

そして、どちらの態度が支配的なのか容易に分かる人もいれば、一見しただけでは分からない人もいる。

また、場面場面で態度が変わることを考えると、(いろんな場面での態度を見るのではなく)いつも特定の場面での態度だけを問題にしていたのでは、余計に判別しづらくなる。

そういうことも、いえます。



ある人がどの型に属するかを明らかにすることは、しばしたいへん困難である。自分自身の場合は特にむづかしい。




たくさんのスイッチを持っている人間、つまり、多様な要素を持っている人間を、型にはめ込むのは、難しいと。

相手が生きている人間であり、個性を持った存在なのだから、それで当たり前だというわけ。





しかし、自分のタイプを知るという行為が必ずしも無駄でないことを、ユングは主張します。



自分の型を知ることは、ある状況に対する自分の個人的偏見をある程度修正できるという点で、有効である。




自分を世界の中心とする時、自分から離れた人は、「違う人」になってしまいます。

「なぜ、あんなところにいるんだ?」「あの人は、何をやっているんだ?」、そうなる。

自分のタイプを世界の中心とする時、自分のタイプでない人は、「なんだか、おかしい人」になるかもしれません。(そう認識されるかもしれない)

「なぜ、あんなことをするのだろう?」「なぜ、あんなことを言うんだろう?」「なぜ、あんなことを考えるんだろう?」


しかし、自分のタイプを知り、他にタイプがあることを知れば、必ずしもこの限りではない。

「わたしの中心はここだけど、あの人の中心はあそこなのか」
「わたしはこう考えるけど、あの人はそう考えるのか」

そんな客観的な目を――ある程度は――持てるかもしれない。



アンソニー・スティーヴンズは、以下のように書いています。


大雑把にいえば、ユングのタイプ論は羅針盤として用いるのが一番有効である。
(略)
自分の人生の進路をしるす座標軸を作り上げることができるという点が有効なのである。




生きることを歩みとするならば、人は概ね、自分の主機能の方角に、歩んでいくことになります。

ただ、そうすると、劣等機能からは、大きく離れる。

日々よく使う機能と、ほとんど使わない機能が、固定され、偏ってしまう。


この偏りを知ることも、タイプを知ることに含まれます。

そしてやがて、人は影と対決することになる。

タイプでいえば、劣等機能との対決が待っている。


ここで人は、もたもたします。迷走する。

タイプの地図上を、あっちに行ったり、こっちに行ったりする。

それははじめ、生産的なものではないのでしょう。

しかし、影なる機能が統合されてくると、話は違ってくる。


羅針盤の例をとれば、一方向に邁進するだけだったものが、補助機能の助けを借りたり、第3次機能を鍛えたり、劣等機能を活性化させ、失敗も経験しながらそれを成熟させることで、人間の全体性が補完されてゆくことになる。

ある方向にだけ ひた走っていたものが、進路を変えながら、人間の総体を航海したような格好になる。

(初めは迷走しているように見えたとしても、ですね)

こういう道のりが、人間を豊かにすることにつながると。




ユングによれば、この進路は必ずしも固定されているわけではない。いついかなる時でも、進路修正の可能性がある。その点からみれば、自分の心理学タイプを知ることは、束縛ではなく解放である。なぜなら、もし自分のタイプを知らなければ決して発見できなかったかもしれないような、人生航路の新たな可能性を切り開いてくれるからである。




それは平坦な道ではないし、穏やかな航海でもありません。

うすうす気づいている嫌なことや、今まで気づかなかった影なるものを知るという、手痛い体験もします。

けれど、それを経てこそ至れる境地があることを、ユングは示してくれています。


「どうせ、だめだ」や「無理に決まっている」、「ひとつの失敗ですべてが台無しだと思える」や「ひとつの失敗を怖れて、手を出すことを止めてしまう」、そういった現代日本にある傾向とは別の、あるいは、逆の、「それを経てこその人生」が、そこにはあると…





ユング心理学と仏教 (岩波現代文庫 〈心理療法〉コレクション V)
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自己実現の心理学―元型論入門
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次回からは、夢について…





ユング心理学概論の目次





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「タイプ論の目次/ユング心理学」
「エニアグラムの目次」

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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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