ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
「人間と象徴 下巻」の中で、フォン・フランツは、“個性化の過程”について、また、“全体性”を現実化しようとする“自我”について、以下のように述べています。



山の松の種は潜在的な形で、その木としての未来のすべてを秘めている。しかし、個々の種はあるとき、ある場所に落ちる。そこには、土壌や石の質や土地の傾斜、日光や風を受ける程度などいろいろ特殊な要因がある。種のなかにある、松の潜在的な全体性は、これらの状況にたいして、石を避けたり太陽のほうに傾いたりして反応し、その結果、その木の成長が形づくられる。かくて、個々の松は徐々に実在化し、その全体性の充足をなしとげ、現実の世界に姿を現す。この実在の木なくしては、松のイメージはたんなる可能性であり、抽象的な概念にすぎない。繰り返し述べると、個人のなかにあるこのような個性の実現が個性化の過程の目標なのである。

(「下巻 個性化の過程」P11より)




上述の松の例え同様、我々にも、何らかの可能性が、潜在的な形で内在していると仮定できます。

松の種がそうであるように、我々も“なるべき何か”の像を生まれ持っている。

そんなひとりの人間が、この世に生れ落ちます。

また、その場所は様々で、松の種がどんな土壌に落ちるか分からないように、我々も、どんな環境に生まれるかは、分かりません。

で、そんな中で、成長することになる。



植物がそうであるように、我々に内在するものが開花するとは限らないようです。あるものは咲くだろうし、あるものは咲くことなく一生を終えるかもしれない。

あるいは、それはもともと、花を持たぬものかもしれません。けれど、もっと別の像を持つ可能性もある。美しい花は咲かせないけど、雄々しくそびえる樹になるかもしれない。あるいは、小さいけれど心にうったえるものを持つ、そんな存在になるかもしれません。

我々は自分の“なるべき像”を知らず、そんな中で、社会や文化に与えられた、“なるべき像”を目指すかもしれません。

また、その仕事をやらないことには、本人も、周囲も、困ることになる。最低限のルールを守らないと、他者を侵害することになりかねない。そうなると、本人も、周囲も、息苦しくなる。

ただ、その一方で、前述のような内在した“なるべきイメージ”も持つわけで、社会的な“なるべき像”と個人的な“なるべき像”が、葛藤のようなものを引き起こすこともあるようです。


河合隼雄さんは、「あなたが子どもだったころ」の中で、いろんな分野で活躍されている創造的な人たちと対談されていますが、これらの方々は特に子供の時分、いろんなことに悩んでおられたように見受けられる。

これも、その一端を拾えば――あくまで、一端だけれど――個人の中に内在する“なるべき像”の突き上げを喰らっていたとも、取れるかもしれません。


彼らの中にあった種が、なるべき姿になろうとして、自我の範疇を越えて、影響を与えてきた。

だから、社会的な“なるべき像”は、どちらかといえば圧迫される。

本人にしても、社会的な“なるべき像”がいいのは分かる。なれるものなら、そうなりたいかもしれない。

しかし、内在する成長因子が、“それとは別の何か”になろうとする。

自我の外から、そういう強い力が働く。


そういう苦しみが、個性化の過程には、つきものなのかもしれません。





人間と象徴 下巻―無意識の世界
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あなたが子どもだったころ―こころの原風景 (講談社プラスアルファ文庫)
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来週に続く…



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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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