ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
身近な人に受け容れられるものが、ペルソナを作ります。

では、その逆はどうでしょう?

受け容れられないもの、してはならないもの、それらタブーはどこへ行くのでしょうか?



外にあるものは外に捨てることができます。

例えば、垢(あか)は擦って捨てることができる。でも、感情はどうでしょう?

中にあるものは、どうなるのでしょう?



人間には、感情なり、衝動なりがある。何かを好きになったり、何かをしたくなったりする。

それが社会的に好ましくなかったり、その人が所属する集団で好ましくなかったりする場合、それは排除されます。

これが外側にある場合は、ゴミと一緒に捨てたらよさそうなもんですが、内にあるものはそうもいかないようです。

外には捨てられないので、抑え込まねばならない。捨てるにしても、内側に捨てることになる。

なので、そういうものは、個人的無意識の中に捨てられ、抑圧されます。

こういったものを、ユングは“”と呼びました。



「○○することはよいこと」という裏には、「××することはいけないこと」というものがあるもので、前者はペルソナに関係してくるし、後者は影に関係してくる。

前者はどちらかといえば身につけ表に出そうとするし、後者はできるだけ排除し表には出さないようにします。表には出さないように、裏に隠す。

切り離して捨てることはできないので、隠すことになる。捨てたつもりでも、完全には切れないので、隠すと同等になる。

また、隠すことが続けば、溜め込むことになる。

排除しようとする裏で、自分でよろしくないと思っているものを溜め込んでしまう、矛盾。



実は、感情や衝動を外に出すことは可能です。それを具現化すればいい。

例えば、腹が立った感情、嬉しい感情、悲しい感情、惹かれる感情、これらの幾分かは、外に出すことが可能です。

表情で、態度で、行動で、言葉で、歌で、ダンスで、画で、などなど、具現化するというカタチで、実は、外に出せます。

が、しかし、タブーとは、具現化することを戒めているわけだから、それはできない。何とか隠そうとしたり、抑え込もうとしてしまう。

この辺にややこしさがあるようです。


捨てるには外や表に出さねばならない。

表に出すには、具現化する必要がある。

でも、それは禁じられている。

(ついでに言えば、相手も要る)


その本は捨てなさい。でも、部屋の外に持って出てはいけません。

こうなると、困りますよね。

本ならシュレッダーにかけることもできるかもしれませんが、感情をシュレッダーにかけたら、人間がどうにかなりそうです。





さて、このようなものは、“影”と呼ばれるだけの傾向を持っているようです。


・いつもついて来て、離れることがない。
・外郭ははっきりしているのに、中身はよく分からない。
・自分よりは相手のほうがよく見える。
(自分の影は相手のほうがよく見え、相手の影は自分のほうがよく見える)
・強い光に当たると、影は濃くなる。
・逆に、暗闇では、影は見えない。
・前を向いている時は、見えないことが多い。
・不意に、視界に入ったりする。


影は物語のモチーフとして取り上げられることも多く、そのクライマックスに、影による主人格の乗っ取りがあったりするのも、興味深いですね。

誰しも、少なからず、そういった脅威を内包しているのかもしれません。



この影ですが、夢の中に現れることが多いモチーフでもあります。

無意識にありながら意識に近いところにあるので、現れやすいのかもしれませんね。また、普段の生活にも関係するものなので、余計にそうなのかもしれません。


夢に現れる影について、アンソニー・スティーヴンズは、以下のように述べています――


夢のなかで影は、自分と同性の、不気味な、あるいは威嚇的な人物としてあらわれることが多い。その人物は常によそよそしく、敵対的なところがあり、それが疑惑、怒り、恐怖といった強い感情を生じさせる。だからこそユングは影をコンプレックス、すなわち共通の情動によって束ねられた様々な特徴の塊と見なすべきだと考えたのである。影も、他のコンプレックスと同じく元型的な核を持っている。
「敵」「略奪者」「邪悪な闖入者」といった元型である。



影は夢の中で、身近な人間なり、あるいは、有名人なりの、姿をもって現れるかもしれません。同性の、ですね。

それが自我にとって、不愉快だったり、脅威だったり、そんな存在として現れる。夢の中で、そのようなことを言ったり、したりする。

また、そんな中で、不愉快なんだけど憎めないとか、怖いんだけど面白そうだとか、そういう像としても、現れることがあるようです。

影と自我との統合の芽生えとして、後者のような、“そんなに悪くない”と思えることもあるようですね。


ただ言えることは、夢で見た相手をそのままの相手と定義すると、よく分からなくなるということ。

例えば、兄弟なり姉妹なりが夢に現れた場合、その人が不愉快なことをしたからといって、ああ、あいつはやっぱり不愉快な人間だ、そういうことではないということ。まあ、意識的にも――というのは、実際の生活でも――そうだということも、あるかもしれませんが。

有名人でも、同じですね。夢で見たからそうだとか、きっとそうするのだろうとか、そういうことではありません。

夢の伝えんとするところは、そういうことではなくて、もっと別のことだと思われます。その像として具現化された、何か。

実際の相手というよりは、自分の中にある何かが、その像のカタチを持って現れているだけです。



あと、影も深い層につながるもの(普遍的な影?)は、もっと訳の分からないカタチで現れるのかもしれません。

例えば、人物ではなく、もっと訳のわからないもの。境界の向こう側にいる、何か。それも怖ろしげなもの。人智を超えたもの。

向こうだけど、近い。近いけど、正体が分からない。

そんなものが、夢に現れるのかもしれません。

ドアの向こう、窓の向こう、壁の向こう、そんなところに。



こんなことを書いていくと、影とはなかなかややこしいものだと思えてきますが、ややこしいだけでもなさそうです。

いい顔ばかりして世の中を生きていくわけにはいかないように、人間はペルソナだけでは生きていけません。ペルソナ以外のものも、必要になる。

確かに、ペルソナは社会から求められるものであり、影はその逆です。しかし、我々が生きているのは、社会だけではありません。集団の中だけで生きているのではない。

影はある意味においては、必要な、“埋め合わせ”なのです。




そういうことも踏まえながら、次回は“影コンプレックス”について書いていきます…





影の現象学 (講談社学術文庫)
影の現象学 (講談社学術文庫)





影に関する夢は上記の通りですが、ペルソナもまた、夢に現れるようです。

それは例えば、衣服として現れる。

お堅いもの、刺々しいもの、重たいもの、軽いもの、場違いなもの、あるいは、裸。

意識は見たくないものには目を向けませんが、夢などの無意識的なものは、むしろそういうものを見ようとする――意識に見せようとする?――傾向があるようです。





ユング心理学概論の目次




関連記事
[サイト内タグ]:  ユング  無意識    ペルソナ  



ブログランキング・にほんブログ村へ
BlogPeople「人間・哲学/人間考察」
blogram投票ボタン


ランキングに参加しています
よかったらクリックしてね


秋だから、実をためる


↑ページトップへ


■ 最近のエントリ

■ 人気ページランキング


↑ページトップへ




// HOME //
Powered By FC2ブログ.
copyright © 2005 枕石漱流 日記(ユング心理学の視点から) all rights reserved.
ブログパーツ アクセスランキング
■ Amazon
■ 注目記事
■ アーカイブ
■ カテゴリ

■ 月別アーカイブ

■ 検索ぷらす


【注意】 ENTERキーだとうまく表示されないようです。申し訳ございませんが、ボタンを押してください。

■ キーワードハイライト機能

検索時、検索語句がハイライトされます。

■ BlogPeople リンクリスト

リンク集と更新状況↓



☆登録する by BlogPeople☆

■ RSSリーダーに登録

 RSSリーダーで購読する

 メールで購読する


(リンク切れを修正しました)


■ 最近のトラックバック
■ スポンサードリンク

■  
■ スポンサードリンク



■ 最近の記事
■ カレンダー

04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -

■ FC2カウンター



現在の閲覧者数:

■ プロフィール

南方 城太郎

Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
生まれ:
黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


日記について


拍手する

プロフ
電脳露店マイアソシエイトストア
おバカ映画

■ リンク
■ RSSフィード
■ インフォメーション


検索サイトiscle
(検索サイトさんです)

■ QRコード

QRコード

携帯でも御覧になれます。

■ 地域情報



ジオターゲティング





■ にほんブログ村

■