ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
少女はついに、男と一緒に逃げ出すことを決意しました。

その際、実は男だけを逃がすつもりだったことを告白します。

そんな少女に、男は言いました――


「それはできないよ。わたしを奴隷にして、自分も奴隷でいるか、わたしを自由にして、自分もまた自由になるか、そのどちらかだ。」






何度か書いてきたように、我々は時に、自分の中に異なる性質を見つけます。今までに無いものや、困るもの、否定してきたもの、よく分からないものなどを見出したりする。

そんなものの内、ずっとずっと奥にある、根本的に違う、正反対の存在とも出会うかもしれません。

そして、往々にして、そういうものを敵視したり、問題だとしたりして、排除しようと躍起になる。時には混乱し、頭を抱えてしまう。抑え切れない衝動に駆り立てられることもあるでしょうか。

しかし、しばらくすると、その中に意外といい面を見つけることもあります。少なくとも、徹底的に排除したり、否定するのは、忍びなくなってきたりする。

さりとて、完全に認めることはできない。自分の中に取り入れることはできない。なぜなら、それを全面的に認めることは、今までの自分を否定することになると思えるからです。今までの自分を棄てることになると、思える。



このような中で、何らかの「それ」を自分から切り離して、自由にさせようとするかもしれません。ある意味、逃がそうとするかもしれない。


「それはできないよ。わたしを奴隷にして、自分も奴隷でいるか、わたしを自由にして、自分もまた自由になるか、そのどちらかだ。」


何らかの「それ」を隷属させるというのは、それを通して、実は、自分自身を何かに隷属させているのと、同じなのかもしれません。それを奴隷とすることで、自分をも奴隷としてしまう。

それを抑え付けることで、自分をも抑えつけているのかもしれない。



「わたしを自由にして、自分もまた自由になるか、そのどちらかだ。」

異なる性質を持つ、過去には嫌った、でも今ではそうではない、そんな「それ」を自分から切り離して逃がすのではなく、自分もそれと手をつなぎ、共に自由になる。

「それ」を解放することで、自分もまた自由になる。解放される。




これをまったく関係のないところでやると、それはそれでややこしいことになるのだと思うのですが、逆に、関係したところで――それ故に怖さを感じたり、困難さに悩んだりしながらも――やることには、意味がありそうです…





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続きは来週を予定…




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南方 城太郎

Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
生まれ:
黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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