ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
NHKで放送されていた「出社が楽しい経済学」。

それを観ての感想とか、脱線とか。


今回は、シーズン1の第10回「共有地の悲劇」についてです。




出社が楽しい経済学
出社が楽しい経済学



「出社が楽しい経済学│NHK 番組HP」




例えば、共同で使っている場所があるとしましょう。それぞれが自由に使うことができます。しかも、無料。

すると、どうなるでしょうか?



こういう条件だと、「使わないと損だ」という考えが生じます。

「他の者に使われる前に使わなければ」と考える。

自分が使わないでいると、他の者がいっぱい使って、自分の使う場所がなくなるかもしれない。

こうなると、お互いに、我先に場所を使おうとします。


結果、必要性や妥当性はそこそこに、場所を使うという行為が最優先されてしまう。


これが物を置く場所なら、すぐに物でいっぱいになります。あるいは、これが牧草地なら、草は食い荒らされ、不毛地帯になってしまう。

このような状態を、「共有地の悲劇」と呼ぶそうです。


漁場での乱獲もそうで、資源を利用しても費用負担が生じないので、資源の使いすぎが起こってしまう。



このような事態が生じる背景には、「使わないと損」「遠慮するだけ損」、そういった心理が働いているのかもしれません。

あるいは、「ちょっと○○するぐらい、大丈夫でしょ」や「みんなしてるじゃない」、そういうのも、あるのかもしれません。

こういうのは誰にだってある感情なので、概ねみんながそうする。みんながそうするから、塵も積もるじゃないけれど、過剰に起こる。すぐに集まり、みんながする。結果、とんでもないやりすぎが生じる。

しかも、必要かどうかや、程度というものが無視されてしまう。



経済学者の吉本佳生 先生の解説によると――


普通の商品やサービスは、代金を支払わない人には提供されない。

ということは、支払わない人には、消費や利用をさせないようにできる。つまり、利用者の排除が可能である。

一方、共有地や共有資源と呼ばれるものは、代金を支払わない利用者を排除できません。

また、利用者が料金を支払う場合でも、それが利用量に関係なく固定されている場合も、共有地の悲劇が起こる場合がある。

いくら使っても料金は同じなので、歯止めが利きません。

こうなると利用者のモラルに頼るだけでは効果は期待できないことが多い。

利用を抑制するインセンティブが働くような仕組みを作ることが大切になります。



【インセンティブ】
誘因。目標を達成するための刺激。

(大辞林より)

利潤動機とも。



使う側が負担やリスクを背負わないことで生じる、共有地の悲劇。

××しても直接的には(あるいは、すぐには)自分の身は痛まないので、抑制が効きません。

それよりは、目先の利益や便利さが優先されてしまう。



さて、では、どうしたら共有地の悲劇を避けることができるでしょうか?



問題は、過剰利用。ということは、使いすぎを如何に抑制するかが鍵になります。


例えば、里山の入会地のように、地域ごとに厳格な利用ルールを定めることで、共有地の悲劇は避けられます。

里山に立ち入るのを地域の人だけに制限するなど、共同利用や共同管理を徹底する。山を共有の財産とし、自分だけ儲かればいい、楽しければいい、という感情を排除している。

あるいは、環境税のように、(この場合、環境に)負荷をかける行動や結果に対し、税金を課します。それにより、過剰利用を抑制させる。

また、税ではなく、許可証を与える方法もあります。ある一定のラインまでは許可する。しかし、ラインを超える行為に対しては、課金する。

排出権取引もこの例で、Aがライン(削減目標)まで余裕があり、Bがラインを超している場合、BがAの排出権を買い取ります。これにより、Bはできるだけラインを大きく越えないようにと、配慮する。(超過して生じる損をなくそうとする)

また、Aにしても、売買がない場合はラインを超えないことだけに注意することになりますが、余った分が売買できることで、より排出を抑制しようという意識が高まります。(余った分が利益になるから)

目標を達成するための刺激、インセンティブが高まるのです。





ただより怖いものはない。

(本来は、ただより高いものはない)



人間の動機には、「得をしたい」や「損をしたくない」というものがあります。

また、どうも、目先の利益にこだわるようになっているようです。


人類の歴史の中では、飢えの心配がない期間というのは、極々短いのだと聞きます。(現代でも、飢えに苦しむ国や地域はありますが)

人間にとって、飢えを満たすというのは、すごく重要なことなのです。


飢えを満たすには、得なければならない。得をしないといけないし、損をするわけにはいかない。

目の前にあるものは、手を伸ばして獲得する必要がある。後のことを考える余裕などなかったのです。それよりは、生命維持のほうがもっと大事。


で、人類の歴史の中で、そういうものが積み重なり、我々の中にも残っているんですね。

このメカニズムが、共有地の悲劇にも関係しているのかもしれません。



でも、このメカニズムに従うだけでも、いろいろと不具合は出てきます。目先の利益や便利さを優先することで、失うものも出てくる。場合によっては、大切なものを失くすかもしれない。

こういうことを避けるには、どうしたらいいでしょうか?


ひとつには、<検証する>というのがキーワードになるのではないかと思います。


何かをする、し続けることで、どういう結果になるか?

それを検証するのです。


目先の損得ではなくて、後々の損得を考える。

本当に必要なのか? 本当に有効なのか?

今何が必要で、将来的に何が必要なのか?

それを思い込むのではなくて、検証する。


目に見え難いところで何が起こっているのか?

それを検証する。



ただ、現実世界を見ると、それと真逆のことが多いようにも感じます。

何で?

そう思うほどに、検証しない。


逆に、情緒に溺れ、感情的になり、メチャクチャな論法が幅を利かせてしまう。

これは危ないですよ。





無料の怖さ。

損得勘定の怖さ。

検証しないことの恐ろしさ。

抑制の効かない行動の恐ろしさ。


共有地の悲劇。




ちょっと考えてみないと、危ないかも…





人間の自然認知特性とコモンズの悲劇―動物行動学から見た環境教育
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まあ、無料や損得勘定などが全面的に悪いわけではありません。

ただ、何事も、「それだけ」になると危ない…





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NHKで放送されていた「出社が楽しい経済学」。

それを観ての感想とか、脱線とか。


今回は、シーズン1の第3回「比較優位」についてです。




出社が楽しい経済学
出社が楽しい経済学



「出社が楽しい経済学│NHK 番組HP」




格差だなんだとクソうるせえ世の中になってしまいました。

あら、やだ、クソうるせえだなんて。オホホホホ…

というのは、ともかく、何かと比較したがり、そのくせ、差を嘆いてしまったり、逆に嘲笑したりと、訳が分かりません。ともかく、差に敏感な世の中になってしまいました。

でも、世の中みんな同じで、同じことをしていたら、社会が回りません。機能しない。

役割の分担、それがないと、社会は歪になってしまいます。みんなが同じことをするというのは、別の何かについては、みんながそれをしないということですから。

一方だけが肥大化し、反対は痩せ細ります。

だいたい、どれだけデキル人がいても、時間内にできることは限られる。

そうなると、誰かの手を借りたり、互いが助け合って、何かを成し遂げることになります。



比較優位”では、「機会費用」というキーワードが出てきます。


デキルと噂のXさんは、Aという仕事を1時間で4つこなし、Bという仕事を20こなす。

一方、Yさんは、Aの仕事を1時間で1つこなし、Bという仕事を10こなす。


単純にこれだけ見ると、ああ、Xさんのほうが優秀だなあ、となるかもしれません。

でも、だからといって、Xさんが全部の仕事をやるのが効率的かというと、そうでもないでしょ? だいたい、1人で全部やるのは難しい。時間が足りません。

そこで、比較優位を考えます。


“比較優位”では、「機会費用」=「その仕事をすることで犠牲になる仕事」に注目します。


Xさんの場合、

Aの仕事をすることで犠牲になるBの仕事は、20÷4=5
(↑Aを一つこなす間に犠牲になるBの仕事量)
Bの仕事をすることで犠牲になるAの仕事は、4÷20=0.2


Yさんの場合では、

Aの仕事をすることで犠牲になるBの仕事は、10÷1=10
(↑Aを一つこなす間に犠牲になるBの仕事)
Bの仕事をすることで犠牲になるAの仕事は、1÷10=0.1


つまり、

Aの仕事をすることで犠牲になるBの仕事量は、Xさんの方が少ない。

しかし、Bの仕事をすることで犠牲になるAの仕事量は、Yさんの方が少ないことが分かります。


ということは、効率的に人材を配置しようと思えば、

XさんにAの仕事を、YさんにBの仕事をさせるのがいい。

XさんはAに比較優位を持ち、YさんはBに比較優位を持つのです。


犠牲になる仕事量を減らすことで、生産性を上げるんですね。



ここで分かるのは、一つひとつの能力に対して優劣があったとしても――個々のケースで負けていても――人は誰でも、何らかの比較優位を持つということ。

どんなに優れた人でも、何かをしている間は、別の何かを同時にすることはできません。

その別の何かを埋められるのは、優れた人ではなく、別の誰かなんです。



また、それとは別に、人は誰でも、得意を持つものです。

その得意が、仕事や学校で評価されないということはあるかもしれませんが、ただそれだけってこと。

得意がないわけではないし、その得意が別の場所では、ものすごく評価されるかもしれない。

適材適所。

自分の持っている能力にふさわしい場所さえ見つければ、人は輝くことができます。

同じ枠に当てはめて勝った負けたと騒ぐより、もっと別の見方があるんですね。



経済学者の吉本佳生 先生によれば、


「わたしたちが働くとき、他人に比べて絶対的に優れた技能を持つ職場のスターにならなくても、自分が持つ技能の中で、相対的に優れたものを見つければ、誰でも大きな価値を生み出す仕事ができる。これが比較優位の教えです」



とのこと。


ただ、実際にやってみないと、どんなことに比較優位を持つのか、分からない。

また、比較優位に基づく分業を行う時、お互いの仕事の間の調整、つまり、コミュニケーションが重要になってくる。

ひとりで全部をやるわけにはいかない以上、仕事を分業し、そして、それをつないだり、まとめたりしなければならない。

大仰に言えば、個としてもある程度確立せねばならず、集団をしても確立せねばならない。

それをつなぐものが必要、というわけです。





得意なことをやる。強みのあることをやる。

それが徹底されると、効率的だし、ちょっと生きやすくなるかもしれませんね。


では、その逆は?





スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学
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資本主義の多様性―比較優位の制度的基礎
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自分には何ができるか?


そして、任せ、任されることを、覚える…





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NHKで放送されていた「出社が楽しい経済学」。

それを観ての感想とか、脱線とか。


今回は、シーズン1の第7回「価格差別」についてです。




出社が楽しい経済学




「出社が楽しい経済学│NHK 番組HP」



龍馬伝の中で、こんなやり取りがありました。

ここに饅頭があったとする。それは、満腹の者にとっては、1文の値打ちしかない。しかし、腹を減らしている者は、10文出しても欲しいと思うだろう。商売とは、そういうものだ。

これは、牢屋に入れられた岩崎弥太郎(香川照之)に、謎の老人が話した言葉です。これにより、弥太郎は商売に興味を抱くのでした。

(岩崎弥太郎は後に、三菱財閥の基礎を築きました)



学割に、シニア割、地域によって価格に差があることもあります。同じ商品でも、人や地域によって、価格を変えて売る。なぜ、企業はそうするのでしょう?


消費者の中には、いくつかのグループがあるといいます。

・多少高くても買う人
・安ければ買う人

消費者を増やそうと思えば、それぞれにあった価格設定をすればいい。前者はそのままの値段でも買ってくれるし、後者は安くすれば買ってくれる。


この考えをもとに、企業は、消費者をグループ分けします。多少高くても買ってくれそうなグループと、安ければ買ってくれそうなグループ。そこで、グループ別の価格設定をする。

そうすることによって、消費を増やそうとします。



学生の場合、一般的には金銭的な余裕がなく、そのために、少しでも安い店を探す傾向があります。

また、シニアの場合は、時間に余裕があるため、サービスを比べることができる。そのため、価格や付加価値に敏感になりやすい。

逆に、ある程度の金銭的な余裕があって、しかも、時間に余裕がない場合、多少高くても、買ってくれる。価格に敏感ではありません。



価格差別で気をつけねばならないのが、裁定取引。裁定取引とは、金利差や転売などによって、利鞘を稼ぐことです。

吉本佳生 先生によれば、サービスは原則として転売できないので、価格差別がやりやすいとのこと。コンビニやファーストフード店で価格差別ができるのは、商品の価格の大部分が「待たずに、手軽に」というサービスにあるからだといいます。



商品の機能やデザインでも、価格差別は可能。製品を差別化することによって、消費者のニーズにこたえます。

「安ければ買うのに」という人には、それに見合った商品を提供する。また、「値段にはこだわらないから多機能を」という人には、そういった商品を提供。

選択肢を広げることによって、購買意欲を引き出す。



金融商品や保険、あるいは、携帯電話などの広告では、重要な内容ほど、小さな字で、しかも、分かりにくい表現で、書かれていたりします。

実は、ここにも、価格差別があるらしい。つまり、高くても買う人と、安ければ買う人の、選別が行なわれている。

「大きな字や図でアピールしている部分だけを読んで、商品やサービスに飛びつく人」→「高くても買う人」というわけ。

一方、「細かい部分まできちんと読んで理解しようとする人」は、「手ごわい消費者」と見なされる。

吉本先生によれば、「広告は一種の消費者能力テストである」と。



クーポン券なども、価格差別だといいます。

価格にこだわらない人はクーポン券を捨てるし、価格にこだわる人なら、とっておいて使う。

ここでも、「価格にこだわらない人」と「価格に敏感な人」のグループ分けが行なわれている。

学割やシニア割などのように企業がグループ分けするのではなく、消費者自身が、使う人と使わない人に、グループ分けしている。

これを、「自己選択型の価格差別」というそうです。





高くても買う人もいれば、安ければ買うのにという人もいる。

比べる労力を惜しんで価格を気にしない人もいれば、価格が気になるのですすんで労力をかけて比べる人もいる。

これは別に、どちらを選んでもいいのですが、本来価格を気にしながら、それでいて比べる労力を惜しんでいると、ややこしいですね。

価格を気にしない人は労力をかける必要はありませんが、少しでも安く買いたい人は、それなりの労力や手間が必要。

得たいものを得るには、それなりのプロセスが必要だということ。



さて、あなたの得たいものは?





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何をしたいのか?

それを得るには、どうすればいいのか?

その工夫や労力、

それが、提供する側にも、消費する側にも、ある程度、求められるのかも…





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生息地:関西
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