ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
トム・ゴドウィン、伊藤典夫 訳 「冷たい方程式」(早川書房 SFベストマガジン(1)より)。


<あらすじ>


EDS(緊急発進艇 エマージェンシイ・デイスパッチ・シップ)のパイロットである主人公は、補給物質倉庫に何かあるという計器の針の動きに気づいた。それは、熱の放射を知らせるものでした。つまり、倉庫に密航者がいることを告げていた。

EDS(緊急発進艇)はその名の通り、緊急事態に際し、物資や人員を訪問予定のない惑星に届けるために使われます。それはあくまで緊急用、母船の計算機があらかじめ必要な燃料を算出し、それだけの液体燃料のみを積載します。

母船スターダストは、惑星ウォードンにいる探検隊の一つに血清を送る依頼を受けていました。そのために、EDSが発進された。そして今、密航者がいることを計器が知らせてきたのです。

EDSにはある規則がありました。「EDS内で発見された密航者は、発見と同時に直ちに艇外に破棄すること」。それは非情な規則でしたが、同時に、道理にかなったものでした。

予定より重量が増えていれば、艇は減速時に、余計な燃料を使うことになります。それが何を意味するか。宇宙艇は目的地に着陸する前に燃料を失い、超高度から超スピードで激突することになります。艇もパイロットも密航者も、地表に激突してグシャグシャになるでしょう。そしてEDSによって救われるはずだった命も、救われなくなる。

「EDS内で発見された密航者は、発見と同時に直ちに艇外に破棄すること」。このルールは、宇宙艇とパイロットとEDSの到着を待つ人々にとって、必要なものでした。

なので、主人公はただ淡々と規則に従うはずだった。他に道はありません。EDSのパイロットになるということは、そういうことなのです。そして、EDSに密航するのも、そういうこと。知りませんでしたや、悪気はなかったは、通用しません。

そんな主人公でしたが、密航者の姿を見て心が揺らいでしまいます。



「EDS内で発見された密航者は、発見と同時に直ちに艇外に破棄すること」

そうしないと、自分自身も、EDSの到着を待つ人々の命も、失われてしまう。

この冷たい方程式を前に、主人公は――





冷たい方程式 (ハヤカワ文庫SF)





「○○をすれば△△になる」

それを避けるために、人はルールを作ります。

また、教育もする。


「○○をすれば△△になるよ。だから、○○しちゃいけないよ」

「○○しないと△△になるよ。だから、○○しないとね」


これを逸脱すると、時に叱られ、時に悲しまれてしまう。

それはなぜか?

最悪の場合、命が失われてしまうからです。


小さい頃、大人はそれを徹底していました。

先生も、親たちも、町の人々も、その役割を果たしていた。

子どもはルールを破って叱られた時は、ともかく黙って、注意された。

大人たちは子どもの命を心配しているのだし、最悪のケースというのは、前例があったり、前例がなくても具体的な悲しい事例が簡単に想像できる。

子どもたちも、叱られることを受け入れていました。


でも、どこでおかしくなったのだろう?

ルールが軽んじられてしまう。

大人たちが役割を果たさない。


ルールを破ることで生じる「悲しいけどしょうがないこと」に対して、どう考えているのだろうか?

先人たちは、そうならないように役割を果たそうとしました。

でも、現在は、何かが違うような気がする。

これは、どういうことなんだろう?


我々の生きる世界でも、冷たい方程式は存在するのでしょう。

では、それに対し、我々は何をすることができるのでしょうか?

「悲しいけどしょうがないこと」を避けるためには、どうしたらいいのでしょう?


そんなことも考えながら、この小説を読みました。




[サイト内タグ]:  SF小説



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南方 城太郎

Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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